今となっては何が違法なのか判断が難しい事ですが、この中に1つだけ違法行為があります
1、美容師が男性にパーマをかける
2、美容師が男性にパーマをかけて、カットもする
3、美容師が男性にカットだけをする
正解は3番
美容師は男性に対して、カットだけを行ってはいけません
ただし!カットと同時にパーマや白髪染めなどの施術を行えば、男性カットをしてもOKになります
何かややこしいですが、美容師が男性の髪を切る場合、パーマやカラーも同時に行わないと認められないのです
結局髪を切る行為は変わらないし、女性に対しては無条件でカットする事が認められているのに...
勿論、こういったルールは最近出来た訳ではなく、終戦後の「青空床屋」の続出によるトラブル解消のため作られてとこから始まっています
その後、1978年12月厚生省環境衛生局から各都道府県知事宛にこんな通達が出されています
【理容師法及び美容師法の運用についての通知】
美容師の行うカッティングについて
美容師がコールドパーマネントウェーブ等の行為に伴う美容行為の一環としてカッティングを行う事は
その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。
また、女性に対するカッティングはコールドパーマネントウェーブ等の行為との関連の有無に関わらず
行って差し支えないこと。
しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと。
要するに、美容師が男性に対してカットだけを行ってはいけないという通知です
さらに、厚生労働省健康局生活衛生課の話
「美容室での男性カットを一律で禁止しているのではなく、パーマ等の行為に伴う美容行為の一環としてなら認めています」
「ただし、男性カットだけという行為は本来的には理容室で行われる行為として想定している」
「男性カットだけを美容室で行ってよいという整理はしていない」
つまり、カットと同時にパーマや白髪染めなどの施術を行えば問題はない
ただし、美容室でよく行われているシャンプー後のマッサージは美容行為の一環とは認められていない!
マッサージ付きだからカットだけOKとはならない...
という見解です
とはいえ、実際に美容室をオープンする時、保健所から細かい指導は入るものの男性カットに関する注意は行われていないのが現状
この事について厚生省は
「美容師が通知に沿った運用をしていない実態があるのならば、そもそも問題である。」
「保健所の指導が行き届いていない可能性がある。」
との事
一方、保健所です(東京都)
「通知は認識しています。しかしこの通知の内容をもって通知通り指導しているかと言われれば現状していません」
「実態に照らすと通知書通りの指導をする事は難しい現状がある」
「地方自治法では国からの通知や通達を『技術的助言』という位置づけに置いており、どう対応するかは自治体の判断という運用が浸透していると考える」
今や美容室の数は全国で約23万件です(コンビニ約5万件)
ここに対して「男性カットはNGです」取り締まります!
なんて理屈が21世紀に適してしているか否か
これもまた変化を求められる時期ではないでしょうか
そんな中、積極的な指導を行っている保健所もあります
高知市保健所
「高知市では国が定めた基準に従って法令遵守をして頂きたいと県の美容師組合に要請したり、指導を行っています。」
「市民から通報があったり、定期的な監視指導の際に『男性カット』のようなメニューがあれば内容チェックをする事になります。」
「国が実態を見て通知上で容認しない限り、市として認める事はありません。」
まあ、地方自治体が判断する部分が大きければ、そんな地域も出てくる訳です...
理容組合と美容組合の関係もあるでしょうし...
とはいえ、高知市が行っている事は現行のルールを守る上では正解とも言えます
個人的ではありますが、保健所には「男性カット」の取り締まりではなく
衛生面の強化に力を入れて頂いた方が、安心して利用出来るのだが...